研究課題/領域番号 |
18K18623
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
川口 純 筑波大学, 人間系, 助教 (90733329)
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研究分担者 |
牧 貴愛 広島大学, 国際協力研究科, 准教授 (80610906)
荻巣 崇世 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 特任助教 (00743775)
興津 妙子 大妻女子大学, 文学部, 准教授 (20772784)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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キーワード | 自省する専門家 / 国際比較 / 教員の生活 |
研究実績の概要 |
本研究では、アジア・アフリカ地域の教員政策について国際的潮流との比較研究を実施し、各国特有の教員政策の特徴と課題を明らかにすることを目的とした。現在、教員政策のグローバル化が進展する中で、教授法や教員養成、教員配置などの教員政策が画一化される傾向にある。教員のコンピテンシーの策定やそれに基づく評価などが世界中で普及している。一方で、マニュアル化され、項目化された「コンピテンシー」や「教員評価」が却って教師の自主性の伸長を阻害し、教員のモチベーションを低下させているのではないか、という危惧も存在する。教師が自らの教育経験に基づく裁量で学習者1人1人の個性や学び方に配慮しながら自律的に教育活動を行っていくアプローチ(「自省する専門家」)とのバランスを図ることもますます重要になる対象はアジア3か国(タイ、インド、カンボジア)とアフリカ3か国(マラウイ、ザンビア、ケニア)の教員政策を対象として、各国の教育事情、教員政策に精通している教育研究者が、現地の教員政策研究者と国際共同研究を実施し、調査結果を基に、6か国間での国際比較も実施した。途上国間の国際比較と、各国の教員政策と国際標準との比較、という2つの軸を立てながら進めてきた。 途上国の教員政策研究は、政策自体が上から下に落とされることに倣い、上からの視点で実施されることがほとんどであるが、本研究では下からの視点を重視し、「教員」自身のリアリティや彼らの視点を中核に据えながら、調査を実施してきた。教員が如何に当該政策を受容しているのか、教員の教育実践だけでなく「教員生活」をも研究フレームワークに入れ込み、現地調査を実施する予定であった。しかしながら、コロナの影響で学校調査は大幅に変更を余儀なくされた。代わりに各国の教員スタンダードの分析を中心に比較研究を実施してきたが、まだ十分な成果を挙げているとは言えない。
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