研究課題/領域番号 |
18K18626
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
根津 友紀子 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 特任助教 (00746779)
|
研究分担者 |
山本 仁 大阪大学, 安全衛生管理部, 教授 (20222383)
大島 義人 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (70213709)
|
研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2022-03-31
|
キーワード | 実験行動解析 / 動線解析 / 気流解析 / 化学物質濃度測定 |
研究実績の概要 |
実験室リスク評価軸の探索を目的として、以下の検討を行った。 実験行動解析:実験室環境が実験者動線に与える影響を検討するために、実際の実験室空間を3×3の9カ所に分けて、被験者に移動指示を出し、経路選択を記録した。その結果、障害物によって通路幅が狭くなるにも関わらず、障害物を経由する・しないのそれぞれ選択率が50%と同じであった。一方で、障害物のある場所からのスタートの場合、最初の障害物を避けるという経路の選択率が75%となり、障害物の影響が確認された。また、実験室における行動への環境影響について詳細に検討するために、VR(Virtual Reality)実験室を構築し、その中での実験者の歩行への影響を検討した。具体的には、部屋の大きさ、明るさ、色といった影響因子を設定したVR実験室を作成し、被験者に室内を歩行させる実験を行った。その結果、各環境条件が実験者の視線行動に与える影響を定量的に示すことに成功した。 実験室環境解析:化学実験室においては、廃液タンク、分析装置等から定常的に化学物質が拡散している可能性がある。実験室内は局所排気装置(FH)、換気扇、エアコン等により複合的に室内気流が形成され、室内に濃度分布がある可能性がある。そこで、縮尺模型を作製し、まずFHだけを稼働させ、実験台で化学物質を発生させ、経時的に濃度変化をモニタリングした結果、発生源付近だけではなく、FHの脇付近での濃度が高くなるなど、室内での濃度分布を観測することができた。このような濃度分布は、CFD(Computational Fluid Dynamics)による解析結果でも確認している。また、新型コロナウィルス感染拡大に鑑みて、実験講義等が行われる講義室においてもCFD解析を行い、実験室同様に、汚染空気や呼気である二酸化炭素濃度の分布が、室内の換気設備の位置や能力に影響を受けることが示された。
|