研究課題
チャットボットが子育てにありがちな孤立を共感に導くことができるかを明らかにする研究を2018年度から継続して行っている。実施した心理的テストに関して、改善が見られた人の属性や行動の特徴並びに悪化した人の原因についての解析を行った。K6を用いて研究事前・事後を比較すると、研究参加者 65 名中 K6 が改善された人が 35 名、変化がなかった人が16名、悪化した人が14名であった。トークルーム発言者のうち K6 得点が改善した人の割合が 50%であったのに対し、読むことを主体とする ROM(Read-only Memberは59%であった。トークルームで ROM であった人の方がK6 改善は高い。これはトークルームを通して、似たような悩みを持っている人が他にもいることを知り、そのような悩みについて、地域コミュニティが支援してくれると感じることで、コミュニティに参画している安心感、連帯感を提供する能力があることに起因すると考えられる。関連して、幼稚園の教師の疲労とストレスレベルに影響を与える人的因子に関して調査を行った。幼稚園の教師の人口統計、労働スケジュール、並びにストレスと疲労に関するデータを得た。このデータを用いて、機械学習手法により統計におけるt-testを用いた回帰モデルを構築した。以下の結果が判明した。1)木曜日と金曜日に働くことが、ストレスと疲労に大きな影響を与えることが判明した.金曜日に働くことは木曜日に働くより、疲労が大きいのに対して、木曜日に働く方がストレスが大きいことも判明した.2)土曜日に働くことは,疲労にもストレスにも影響を与えないのに対して、日曜日に働くことはストレスに影響を与えることが判明した。3)性別、身長、体重は影響がないことがわかった.4)一方30歳以下の職員は他の年齢層よりもストレスを受けやすいことが判明した.
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)
東京大学大学院情報学環紀要 情報学研究
巻: 100 ページ: 127-143
Proceedings of 13th International Conference on Advances in Computer-Human InteractionsProceedings of 13th International Conference on Advances in Computer-Human Interactions
巻: 13 ページ: 124-129