本研究の学術的・社会的意義は、文化の批判的分析・研究を行う学習論の提案を通して、市民性育成論の一つの提案を行うことである。日本の社会科教育では伝統・文化を無批判に受け入れる学習(文化受容学習)が行われている。本研究では、当該の学習を見直し、文化財や文化現象の意義や意味を分析・評価し、当該文化を「価値ある、学ぶべき対象」として意味(価値)付ける歴史的・社会的・政治的背景を分析・研究する学習論(文化研究学習)を開発する。本研究の最終目標は、子どもが所属する地域文化や伝統の継承・創造・革新へ主体的かつ批判的に関わる市民性育成論の開発である。
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