研究課題/領域番号 |
18K18644
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
馬 暁華 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (30304075)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2022-03-31
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キーワード | 歴史和解 / 歴史教育 / 博物館 / 戦争の記憶 / 共生 |
研究実績の概要 |
本研究は、アジア・太平洋地域における知的共同体構築の過程の中で、歴史教育がどのような役割を果たすべきかを明らかにし、グローバル人材育成戦略における歴史教育の新たな方策を探ることを目的としている。 令和2年度、おもに日本・中国・米国の戦争・平和・歴史博物館に関するデータの収集、先行研究の調査およびデーター資料の分析をを行い、研究活動を進めた。今まで調査・収集した資料やデーターを基に、国際和解学大会(International Association Reconciliation Studies)が開催した国際シンポジウム"The Development of Reconciliation Studies in East Asia"(2021年3月4-6日)において、「War Memory and History Reconciliation”という題目で研究成果の報告を行った。そこで日本・中国両国の歴史博物館の戦争展示の変遷過程および主な特徴、さらに歴史教育における博物館の社会教育施設の役割について議論が交わされた。特に中国・日本の戦争・平和博物館に対して、歴史的要因や政治的要因などの社会的規定要因がどのように作用し、両国の歴史和解の実現を妨げているかを検証した。その上で、日中両国の戦争の記憶、ひいては歴史認識の形成に果たしてきた博物館の社会機能を明らかにし、博物館の視点からグローバル化時代における歴史和解と歴史教育の課題を探ることにした。主な研究成果として、『新たな和解の創出:グローバル化時代の歴史教育学への挑戦』(主編、彩流社、2020年)は公刊された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
データー資料の分析や学会での研究成果の報告などの研究活動を展開したため、概ね順調に進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年においては、テーマ的にはアジア・太平洋地域における戦争記憶の変遷、および戦争の記憶がアジア・太平洋地域の国際関係の変動に与えた影響について研究調査・資料データーの分析を進める。 本研究は、主に日本・中国・米国の戦争の記憶、ひいては歴史認識の形成に果たしてきた歴史博物館の社会機能を明らかにし、博物館の視点からグローバル化時代における歴史和解と歴史教育の新たな方策を理論的な研究を目指し、研究活動を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症が急速に拡大したため、海外での研究調査は不可能となった。次年度、海外の研究者と協力しながら、研究活動を進めていく。
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