研究課題/領域番号 |
18K18647
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
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研究分担者 |
岡田 順子 神戸大学, 海事科学研究科, 准教授 (00213942)
中原 朝子 神戸大学, 男女共同参画推進室, 政策研究職員 (50624649)
朴木 佳緒留 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 名誉教授 (60106010)
勅使河原 君江 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (60298247)
桂木 聡子 兵庫医療大学, 薬学部, 准教授 (60608678)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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キーワード | 災害支援 / 寄り添い支援 / 安心 / 表現活動 / アート |
研究実績の概要 |
本研究では、災害後に展開される社会モデルとしての「寄り添い支援」に着目し、アート等を通した支援(『表現型』寄り添い支援)の中で被災者が表現する「安心」の内実を分析することにより、その活動の意義や方法論を明確にする。先行研究、とりわけ方法論的な研究が少ないため、初年度は概念の整理、実践、そして実践振り返りワークショップに重点をおいた。実績としては、まず、研究会を4回(7月20日、9月28日、12月25日、1月9日)開催して、概念の整理をはかった。それに加えて、「女性支援による継続可能な社会づくりのための意見交換会・交流会」というワークショップを加賀市、岩手県大槌町、大船渡市で開催した。加賀市では、朴木佳緒留が「こっとりKAGA」でワークショップを開催し、女性の就労や子育て支援に必要な要素を話し合うことを通じて、支援策としての人と人の関係性の在り方について検討した(2018年9月29日;「こっとりとKAGA」(加賀市山中温泉東町2丁目ツ6)。大槌町では、アレキサンダー・ロニーと桂木聡子が絵本と絵描きのワークショップ「ポーポキと一緒に安心を描こう!」 (岩手県大槌町 シーサイドタウン「マスト」、主催 NPOつどい・大槌町国際交流協会)を開催し、「安心」を表現する活動を行った(2019年2月10日)。また、大船渡市防災観光交流センターでも同様のワークショップを行った(2019年2月11日、主催:おはなしころりん)。さらに、勅使河原君江は高齢者のニーズに焦点をあて、「美術制作を通したシニアの学習ニーズの変容」(安里知陽、勅 使河原君江、2018年9月23日)と第57回大学美術教育学会(奈良教育大学)においてポスター報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究を追及するにあたって、若干の困難があり、十分に活字化できなかった。困難の理由は①モデルとなる先行研究がないため、方法論的に手探りによる試行をせざるを得ない、②学際的な研究を行うため、研究分担者の専門分野が異なっており、同じ言葉(「支援」など)を使っても分野によって理解が違い、共通理解を構築するための時間がかかることである。また、実践面において、対象としている地域におけるワークショップの日程を定めることが遅れたため、予定した実践ができなかったこともある。以上より、ワークショップの内容を十分にまとめるに至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、概念の整理を続けながら、今まで行ってきたワークショップに対する振り返りワークショップから始める予定であり、振り返りを通じて方法論を明らかにすることが目標である。また、実践としてワークショップを最低2回開催することによって、新たな論点を獲得することを目指す。「『表現型』寄り添い支援」の特徴、意義の明確化を行いながら、表現活動による「安心」のイメージ分析と、ヒューマンネットワークの形成に取りかかる。また、子ども支援の観点から強化するため、小児科医の高田哲を新しく研究分担者として加える。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究はモデルとなる先行研究がないため、方法論の手探りに多くの時間を使った。また、文理融合型研究であるため、研究分担者は専門が異なり、共通の基礎的な基盤構築にも時間がかっかたため、予定していた調査はできなかった。
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