| 研究課題/領域番号 |
18K18647
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| 研究機関 | 神戸大学 |
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研究代表者 |
Ronni Alexander 神戸大学, 国際協力研究科, 名誉教授 (40221006)
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| 研究分担者 |
岡田 順子 神戸大学, 海事科学研究科, 准教授 (00213942)
中原 朝子 神戸大学, 男女共同参画推進室, 政策研究職員 (50624649)
朴木 佳緒留 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 名誉教授 (60106010)
勅使河原 君江 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (60298247)
桂木 聡子 兵庫医療大学, 薬学部, 教授 (60608678)
高田 哲 神戸大学, 保健学研究科, 名誉教授 (10216658)
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| 研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2023-03-31
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| キーワード | 寄り添い災害支援 / 表現活動 / 災害支援 / 表現型支援 / 防災教育 |
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| 研究実績の概要 |
本研究の目的は、『表現型』寄り添い支援を対象として、その概念を整理し、支援活動の実践における要件や方法論、意義を明確にすることである。当初企画していたことは、東日本大震災の被災地でのふりかえりワークショップを通して、表現活動が生む「安心」と「安全」を分析し、被災著の時間・空間を超えるヒューマンネットワークの形成状況を把握することであった。本研究が用いるアプローチは新しく、しかも学際的であるために、概念整理の段階から進行が予定より遅れ気味で、2年目の2019年末に予定していたふりかえりワークショップの実施も2020年度に延長せざるを得なかった。
予定していた活動は、新型コロナウイルス感染拡大のために2020年度にも2021年度にもできず、研究は最後までたどり着けなかった。けれど、2020年度から活動を対面から遠隔に切り替えて、遠隔の可能性を探ることにしたため、新たな成果を上げることができた。その一つは、アレキサンダーのSNSから始まったポーポキのマスクギャラリー活動を『ポーポキのマスクギャラリー～コロナ禍でアートを通して日常の安心を探る』という書籍で発行し、１本の論文、「Art-stories as reflection: Learning from the Popoki Peace Project」（『国際協力論集』29(2)、27-51)を発表した。また、共同研究として、アレキサンダー、勅使河原、桂木が「被災者の多様で個別的な安心についてお絵描きを通して思索する活動」（『神戸大学大学院人間発達環境学研究科研究紀要』15(2) 53-65）などの論文を発表した。さらに、2020年に続いて、2021年2月に本研究の方法論を用いて、大船渡市立北小学校の４年生とアートを使ったワークショップを行い、子どもたちに「安心」や「平和」を描いてもらえ、その成果を現在、研究の対象としている。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染拡大のため、2年目の2019年末に予定していたふりかえりワークショップの実施を2020年度に延長せざるを得なかった。しかし、2020年度に予定していた被災地でのふりかえりワークショップや講演会も、新型コロナウイルス感染拡大のために訪問や実施できなかった。最終年度にする予定の２０２１年度においても、新型コロナウイルス感染拡大のために、予定していた活動ができず、研究は最後までたどり着けなかった。
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| 今後の研究の推進方策 |
2020年度の国際学会が中止になり、20年度や21年度に予定されていた活動が新型コロナウイルス感染拡大のために途中からできなくなった。しかし、アレキサンダーが米国の世界国際関係学会・平和研究分科会で著名な学者賞を受賞し、受賞の理由に本研究の新しさが高く評価された。とくに、コロナ後の活動として、SNSや遠隔ワークショップで、アートを通しての「表現型」寄り添い支援を実施し、その分析を試みたことである。「ポーポキのマスクギャラリー活動」という表現活動を開始し、ソーシャルメディアを使って、国内外での感染症流行中の「安心」について語り合うことを継続し、２０２２年２月に書籍を発行できた。２０２２年度は、このフォローとして、ワークショップを開き、さらなる「表現型」寄り添い支援の実践やその成果の方法論を明らかにし、日常を表現し、それを検討していくヒューマンネットワーク形成の可能性を明確にする予定である。また、本研究が最初から目指していた被災地での活動を考慮し、２０２０年度に続いて、２０２１年度にも「安心」を表現するための絵本を作成し、岩手県大船渡市の小学校と連携して小学生とワークショップを開催し、２０２２年度にも開催する予定である。本年度前半では、マスクギャラリーの成果や集まってきた絵を中心に表現された「安心」の分析や、ヒューマンネットワーク形成・強化に取り組む。分析の結果を踏まえて、今年度後半は、減災における「表現型」寄り添い支援の方法や意義について、減災教育・災害政策に対する提言を行うと共に、さらなる学術的発展のために日本平和学会や世界国際関係学会などで成果発表する。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大のため、予定していた被災地の訪問や被災地でのふりかえりワークショップが開催できず、研究が遅れた。
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