研究課題/領域番号 |
18K18674
|
研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
赤松 信彦 同志社大学, 文学部, 教授 (30281736)
|
研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2023-03-31
|
キーワード | 第二言語習得 / 語彙学習 / バイリンガル・レキシコン / 心内辞書 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、外国語学習者のバイリンガル・レキシコンがどのような過程を経て発達するのかを解明することである。特に、母語(L1)によって獲得された概念(L1概念)を通して学習される外国語(FL)の単語が、L1概念にはない、FL単語固有の概念(FL概念)と結びついていくメカニズムについて研究する。また、2言語間の相互作用という観点から、新たなFL概念が既存のL1概念に与える影響についても探求する。本研究の学術的問いは次の3点である。(1) 使用する機会や場面が限定されている外国語学習において、L1概念はFL概念の形成過程にどのような作用を及ぼすのか。(2) 単語の指示対象が持つ外見的特徴と内面的特徴はFL概念の形成において異なる影響を及ぼすのか。(3) 新たなFL概念形成の過程で、既存のL1概念は変容するのか。 本年度は、単語の指示対象が持つ外見的特徴がFL概念の形成に与える影響を検証するため、ストループ課題を用いた実験を行った。学習プログラムに関しては、野菜や果物を示す英語非単語を学習対象語とし、昨年度作成したQualtrics社のonline調査サイトを利用した。また、学習効果や指示対象が持つ外見的特徴がFL概念の形成に与える影響の検証については、コンピュータ画面上に提示された各単語とその指示対象に関する正誤判断課題及び、各単語の色を命名する課題を、Cedrus社の心理学実験ソフトウェアSuperLabを使用し、各被験者ごとにデータ収集を実施した。しかし、当初予定していた、単語の指示対象が持つ内面的特徴とFL概念の形成に関する調査に関しては、度重なる新型コロナウイルス感染症の影響により、実施出来なかった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2021年度に予定していた、単語の指示対象が持つ内面的特徴とFL概念の形成に関する学習プログラムの開発及びデータ収集は、新型コロナウイルス感染症の影響のため実施出来なかった。このため、研究プロジェクトの進捗状況は大きく遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
単語の指示対象が持つ内面的特徴とFL概念の形成に関する学習プログラムの開発を2022年4月~7月に行い、データ収集は10月~12月に実施する予定である。2023年1月~3月は、2021年度収集したデータ(単語の指示対象が持つ外面的特徴とFL概念の形成の関係性)と併せ、総合的な考察を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
2021年度に予定していた単語の指示対象が持つ内面的特徴とFL概念の形成に関する調査に関しては、度重なる新型コロナウイルス感染症の影響により、実施出来なかった。このため、次年度は、「単語の指示対象が持つ外見的特徴と内面的特徴はFL概念の形成において異なる影響」を調査するための学習プログラムを開発し、データ収集を行う。また、学習効果の検証については、プライムタスクによる正誤判断課題を実施し考察する予定である。
|