研究課題
本研究の目的は、学習管理システム(LMS)に記録される学生の学習状況、小テストや課題の評点、最終成績、ネットワークにおける行動、出席状況等の情報から、学生や授業ごとの局所的な地図を作成し、その地図を元に学習と教育の全体像(モデル)を構築し、学生指導や教育の評価と改善に資するためのシステムを構築することであった。これまで、特にLINEを利用した学習システムを構築し、それを通して学習データの収集と分析、そして修学指導を行ってきた。また特にコロナ禍において、オンライン授業での学習状況をリアルタイムで把握するツールの構築と授業を分析すツールを構築した。最終年度は、これまでの機能の拡張として、他の認証システムとの連携や、機能の高度化を検討した。また、これまでの学習コンテンツが日本人向けであったことと、正統的な学習形式であるために学習が継続されないという問題があったことから、英単語学習ゲームの実装を計画した。英単語学習ゲームは、19世紀に生まれたとされるHangmanや、最近では6文字英単語を当てるWordle等がある。Hangmanにはある程度の学習効果があることが先行研究により示されているものの、Wordleは単語習得レベルに無関係に出題され、英単語を覚えるという目的よりも、いかに少ない回答数で正解するかが競われているように思われる。そこで、HangmanやWordleに類似した出題形式を採用することを検討した。ただし、回答者のレベルに応じた英単語を出題することはこれまでのシステムを踏襲し、また英単語の文字数は固定しないこととした。新たなシステムの実装には、LINEのフロントエンドとして動くWebアプリケーションとの連携のためのLIFF (LINE Front-end Framework)を利用することを想定していた。残念ながら、最終年度中に実装できなかったが、今後の関連研究に継続したいと考えている。
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