研究課題/領域番号 |
18K18684
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研究機関 | 国立教育政策研究所 |
研究代表者 |
安野 史子 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター基礎研究部, 総括研究官 (00370081)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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キーワード | 数学試験 / 記述形式 |
研究実績の概要 |
数学の記述式試験は,受験者が文字,数式,図形,グラフ等を自由に記述した解答による評価であり,それらの採点はその専門性を有している者が行っている。 数学は,教科の特性からも,評価において思考力・表現力が重視される。本来,問題を解くということは,思考過程を経ながら行うものであり,現在,実用化さ れている限定された形式のキーボート入力よりも,手書き(入力)の方が長けているだけでなく,広汎な能力を測ることができる。 そこで,本研究課題は,数学試験の手書きの記述式解答に関して,解答用紙によるオフライン手書き認識と,デジタルで手書きされた「デジタルインク」による オンライン文字認識の両方のデータを収集し,採点を支援するシステムを提案することを目的とする。 本年度も引き続き,これまでの数学の記述式の答案について,自由に記述した文字,数式,図形,グラフ等の分類を主に行ってきた。また,高等学校までに学習する数学の数式・記号に関しては,他国と異なる日本独自の表記方法等の整理を行った。日本語テキストと数式が混在している部分に課題があることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
自由に記述した文字,数式,図形,グラフ等が混在しているため,種類による領域を指定しにくい難点があり,特に,テキストと数式の混在が多いことから,意味を持つ情報が得にくいことが障害となっている。
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今後の研究の推進方策 |
手書きの文字,数式,図形,グラフ等を個別に認識可能なものと認識が困難なものを整理していき,テキストと数式の混在については,どのようにすれば意味を持つ情報が多く得られるかの検討を行う。対応策としては,テキストに簡単な数式が混ざっているものから,試行する。
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次年度使用額が生じた理由 |
罫線も段区切りもないB4あるいはA3の用紙に,解答者が自由に書いた手書きの数学記述式解答の自由度が高いという困難からの打開策がなかなか見つからず,研究進捗状況に遅れが生じているため。対応策としては,テキストに簡単な数式が混ざっているものから,試行するため,そのための物品や開発等に係る経費として使用予定である。
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