タッチペンの利用によるタブレット端末への入力により,オンラインで「デジタルインク」データとして数学試験の手書きの記述式解答を収集し,そのデータを分析した。解答入力の頻度や解答の書き直しの頻度を中心に分析を行った結果,数式に関しては,オンラインの手書き数式認識により95%程度は正しく認識され,解答の書き直し回数もそれほど多くないことが実証的に示せた。さらに,数学特有の数式のストロークの順序が起きうることが実証的に確認できた。本研究で採用した解答者が認識結果を確認して確定するという方式であれば,自動採点や採点支援に有効性が高いことが示唆された。図形認識は,有効性を示せるような結果が得られなかった。
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