研究課題/領域番号 |
18K18689
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
葭田 貴子 東京工業大学, 工学院, 准教授 (80454148)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2022-03-31
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キーワード | 眼球運動 / ソーシャルプレゼンス / 臨場感 / アイコンタクト |
研究実績の概要 |
人が他人に見られていると意識する状況下では,眼球運動を含む様々な行動が変化する.人物の正面が映る映像からこの意識感覚が生じる際に,映像内の人物とその観察者の視線方向が互いに起因し合うように移動する様子が視線データから抽出できるか検証するため,2名の眼球運動を同時記録した.参加者ペアはビデオチャットを模したシステムで向かい合い、その眼球運動が2000Hzの高サンプリングレートのアイトラッカ二台を用いて同時記録された.2名は互いをライブ映像、録画映像、静止画で観察し、刺激をライブ映像だと感じたかを報告した.参加者は高い確率でライブ映像を正しく判定したが,2名が互いの目近傍に視線を向ける時間的同期の様子は観察されなかった.そこで,実験課題を二名の被験者が協調して実施するようなものに変更する追加実験を実施した.また,データ解析方法を他にも数種類検討することを試した.近年は廉価なアイトラッカが大量に購入できるようになりつつあり,二名に限らず多数の被験者のアイトラッキングの同時実施が可能になりつつあるが,決まったデータ解析方法や可視化方法がない点に問題があり,本研究もその例に漏れない.今後はこれら技術的問題についてひとつづつ解決していく必要があることを認識しつつ,これら結果を英語原著論文にまとめ,現在,投稿前の英文校正作業中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
初年度の研究成果を英語原著論文にまとめる作業が大きく進展したほか,実験装置の改善等も順調に進んでいる.
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルス対策で一定期間研究実施できない状態が続いたが,緊急事態宣言解除後徐々に研究実施や研究費使用の状況も改善されると思われる.今年度後半に向けて研究成果を英語原著論文にまとめ,刊行することを目指す.
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次年度使用額が生じた理由 |
研究が当初の予定より早く進んだため,国際学会発表や英文校正等,当初の予定よりも前倒しで経費が発生する事項が多発したほか,安価なアイトラッカやHMD内蔵型のアイトラッカなど,研究計画立案時にはなかった製品が市場に出て本研究に使用可能と判断されたため,これらに対応した結果として次年度使用額が発生した.
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