研究課題/領域番号 |
18K18689
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
葭田 貴子 東京工業大学, 工学院, 准教授 (80454148)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2022-03-31
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キーワード | アイトラッキング / バーチャルリアリティ / ドライブシュミレータ |
研究実績の概要 |
コロナ禍に伴い,一時研究停止したほか,自宅待機に伴い被験者の確保が難しくなった.そのため,既存の実験装置の改造と実験プログラムの開発に多くの時間を咲いた.本研究計画開始時より徐々に,バーチャルリアリティ用のヘッドマウントディスプレイ内部にアイトラッカが実装されたものが複数の企業から提供されるようになり,Unityを用いて安価・簡便に様々な視覚刺激を提示しつつ,被験者の頭部運動に同期して映像を変化させられるようなりつつあったため,これがどの程度の精度でアイトラッキングの実験に利用できるか,デバイスの反応速度やプログラム実行速度の計測を行った.また,その過程で,試みとして,ドライブシュミレータ内で被験者が自由な頭部運動や眼球運動を伴いながら活動する状況のアイトラッキング技術を確立した.CG内の映像と被験者がインタラクションする様子を,アイトラッキングデータから可視化する手法を確立したが,その間,似たような機能が他企業からも提供されるようになったため,次年度実験の本格的な再開までにこれらの機能を取り込み,より簡便に実験結果の可視化ができるようにすることが目下の課題である.一方で,これまで従来の一般的な眼球運動実験の手法に準拠し,被験者の頭部を固定したやや不自然な姿勢で実験を実施してきたが,バーチャルリアリティ用のヘッドマウントディスプレイをアイトラッキング実験に利用できることがある程度わかってきたことにより,今後,被験者の頭部や身体が固定されず自然に活動している状況でも実験が実施できる可能性が広がった.今後,もう一台アイトラッカ付きのヘッドマウントディスプレイを買い足すことで,リモート活動のままインターネットを通じて2名の被験者が互いにインタラクションする実験に活用するなど,コロナ前には想定不可能であった実験計画につながる可能性が開けたという意味では,実りのある一年であった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ対策に伴い,一時期実験装置が設置されている構内への立ち入りが大幅制限されたほか,その後も三密回避に伴い被験者の確保が極めて困難となり,事実上ヒトを対象とした実験の実施が困難な状況が長期化し,デバイスの開発や実験データの解析が主な研究活動とならざるを得なかったため.
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今後の研究の推進方策 |
多くの研究内容と予算の一部を次年度に繰り越し,コロナ対策が緩和する頃合いを見計らって改めて当初の研究計画に沿った研究活動を実施することとした.
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ対策により,実験の大部分が実施不可能になったため,被験者料と学会旅行用の旅費が殆ど使用されなかったのを,2021年度に持ち越し,当初の予定どおり使用する予定.
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