人は色と温かさを結びつける特性を持つことが一般的に知られており、赤から黄にかけては暖色、青領域は寒色とカテゴライズされる。これは、感覚間供応の一つと捉えられる。しかし、この対応が、どのように生じるのか、また個人間の共通性と多様性については、未解明な部分が多い。そこで、この特性の共通性と多様性ついて、生理学的要因と社会的要因の両者から検討することを目的に、多様な色覚を持つ人々を対象として、様々な年齢層で調査してきた。その結果、どの色覚を持つ人々も、発達に伴い、多数派の色覚である3色覚成人の結び付けに近づいていくという共通性を持つことが明らかとなった。ただし、少数色覚者の中で色覚特性をさらに細分化した場合、個人の生理学的要因が比較的強い影響を与えている事例も見られ、生理学的多様性も貢献していると考えられた。 研究期間を延長したことにより、専門家らと意見交換を行い、社会の影響や文化的要因について掘り下げる計画へと発展できるかを検討した。
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