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2018 年度 実施状況報告書

描画の統計的画像解析と臨床的利用の検討

研究課題

研究課題/領域番号 18K18701
研究機関早稲田大学

研究代表者

竹村 和久  早稲田大学, 文学学術院, 教授 (10212028)

研究分担者 岩滿 優美  北里大学, 医療系研究科, 教授 (00303769)
横田 正夫  日本大学, 文理学部, 教授 (20240195)
研究期間 (年度) 2018-06-29 – 2021-03-31
キーワード描画 / 樹木画 / 投影法 / 画像解析 / 統合失調症 / フーリエ解析 / ウェーブレット解析
研究実績の概要

本研究は、臨床の現場で用いられることの多い、樹木画や人物画に関する描画法における
統計的画像分析の方法を開発し、その方法に基づいて精神科医や臨床心理学者との連携の
もとに新しく開発した方法の臨床的利用の検討を行い、臨床現場での心理評価や診断の補
助手段としての利用法を検討することを目的とした。 本研究では、描画を、フーリエ解析、ウェーブレット解析、ファジィロジック分析などの統計的画像解析の観点から統一的かつ計量的に分析し、より客観的な分析を行った。本研究では、統合失調症患者の描画を解析することを試みた。
本研究では、本年度は、一般成人、成人の精神疾患患者(統合失調症の入院患者、その他の心理症状で通院する患者)を対象にして、樹木画の描画法でのデータを、スキャナーを用いて画像として取込み、画像情報に特異値分解などの解析を実施する方法を開発した。まず、基本的分析として、特異値分解を行うが、ここでは、描画の集合を画像の各ピクセルの濃度値(0:白から255:黒)を要素とする行列と見なして特異値分解の手法を適用する。行が「画像データにおけるピクセルの位置(以下描画座標と記述する)」に対応し、列が「対象者の描いた描画」に対応する行列を作成し、特異値分解を行った。このように、描画を画像情報をもつ行列として捉えて、近年成果の著しい統計的画像解析を行うことによって、測定、分析、解釈の客観性をある程度高め、心理評価や診断の際の補助手段として使用できるかについての検討を行った。本研究の結果は、様々な形での書籍、論文、学会発表などを通じて公刊がなされている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究では統合失調症患者のデータを取得して分析を試みたがまだ十分な数が得られていない点があげられる。分析方法の研究については順調に進展している。

今後の研究の推進方策

本研究では、描画を、フーリエ解析、ウェーブレット解析、ファジィロジック分析などの統計的画像解析の観点から統一的かつ計量的に分析し、より客観的な分析を行い、合失調症患者の描画を解析することを試みたが、データ数がまだ十分ではなく、さらに病院などに行って収集を試みる。また、描画の画像解析についての新しい方法の試みを今後行い、描画の形成過程についてもデータの取得を行い、分析を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

統合失調症患者のデータ取得等に遅れが生じてそのために使用額の変更が生じた。そのために次年度使用額が生じた。

備考

各自のWEBを紹介した。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2019 2018 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 図書 (2件) 備考 (3件)

  • [雑誌論文] ウェーブレット変換,特異値分解,フーリエ変換を用いた樹木画の画像解析2019

    • 著者名/発表者名
      川杉 桂太・竹村 和久・岩滿 優美・菅原 ひとみ・西澤 さくら・塚本 康之・延藤 麻子・小平 明子・轟 純一・轟 慶子
    • 雑誌名

      心理学研究

      巻: ― ページ: ―

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 草むらテストにおいて後姿の人物を描き続けた症例の臨床心理学検討2019

    • 著者名/発表者名
      横田正夫・青木英美・道行隆・原淳子
    • 雑誌名

      心理臨床センター紀陽

      巻: 16 ページ: 5-20

  • [雑誌論文] 草むらテストで分身を用いた統合失調症患者の臨床心理学的検討2018

    • 著者名/発表者名
      横田正夫・青木英美・道行隆・原淳子
    • 雑誌名

      心理臨床センター起用

      巻: 15 ページ: 5-18

  • [雑誌論文] Research on the stress felt by mothers who have a young child or children focusing on the husbands’ expectations of the mothers.2018

    • 著者名/発表者名
      Miwa Kitasato, Chikashi Kidoguchi, Yumi Iwamitsu:
    • 雑誌名

      The Kitasato Medical Journal, 49(1): 1-8, 2019.3

      巻: 49 ページ: 1-8

    • 査読あり
  • [学会発表] 統合失調症患者における樹木画の描画特徴について2018

    • 著者名/発表者名
      川杉桂太・岩滿優美・轟慶子・菅原ひとみ・小林史乃・小平明子・延藤麻子・塚本康之・西澤さくら・轟純一・竹村和久
    • 学会等名
      日本心理学会
  • [学会発表] 統合失調症患者と健常者の対称性選好の関連要因について-気分状態・精神症状から-2018

    • 著者名/発表者名
      小林史乃・菅原ひとみ・小平明子・延藤麻子・塚本康之・西澤さくら・岡本悠花・川杉桂太・竹村和久・岩滿優美・轟慶子
    • 学会等名
      日本心理学会
  • [図書] 描画にみる統合失調症のこころ:アートとエビデンス2018

    • 著者名/発表者名
      横田正夫
    • 総ページ数
      160
    • 出版者
      新曜社
    • ISBN
      4788515938
  • [図書] 社会・集団・家族心理学 (公認心理師の基礎と実践)2018

    • 著者名/発表者名
      竹村和久(編)
    • 総ページ数
      200
    • 出版者
      遠見書房
    • ISBN
      4866160616
  • [備考] 竹村和久研究室

    • URL

      http://www.waseda.jp/sem-takemura/

  • [備考] 岩満優美研究室

    • URL

      http://kerid-web.kitasato-u.ac.jp/Kouza/k109105105.html

  • [備考] 横田正夫研究室

    • URL

      http://dep.chs.nihon-u.ac.jp/psychology/yokota_web/top.html

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公開日: 2019-12-27  

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