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2022 年度 実施状況報告書

描画の統計的画像解析と臨床的利用の検討

研究課題

研究課題/領域番号 18K18701
研究機関早稲田大学

研究代表者

竹村 和久  早稲田大学, 文学学術院, 教授 (10212028)

研究分担者 岩滿 優美  北里大学, 医療系研究科, 教授 (00303769)
横田 正夫  日本大学, 文理学部, 教授 (20240195)
研究期間 (年度) 2018-06-29 – 2024-03-31
キーワード描画法 / 画像解析 / 投影法 / 眼球運動解析 / 臨床心理 / 統合失調症 / 面接調査
研究実績の概要

本研究は、臨床の現場で用いられることの多い、樹木画や人物画に関する投影法としての描画法における統計的画像分析の方法を開発し、その方法に基づいて精神科医や臨床心理学者との連携のもとに新しく開発した方法の臨床的利用の検討を行い、臨床現場での心理評価や診断の補助手段としての利用法を検討することを目的としている。本年度は、描画を、フーリエ解析、ウェーブレット解析、独立成分分析、深層学習などの統計的画像解析の観点から統一的かつ計量的に分析し、より客観的な分析手法を開発することを試み、協力をしてくれている精神病棟の閉鎖病棟での調査、一般社会人への調査を加えて、描画を画像情報をもつ行列として捉えて、統計的画像解析を行った。また、今後の調査の検討のために、各地の臨床施設や公文書館などでの調査や文献収集を行った。さらには、眼球運動測定を用いた研究や描画構成課題をもとに検討を行った。本研究の結果は、国内の学会で発表を行い、また、学会誌などで公表した。本研究は、描画法を、より客観的な測定法と分析法から新しい角度から光を当てて、眼球運動解析や選択反応時間分析から推測される心理過程との対応関係を明らかにして、心理学や感性工学さらには神経科学との連関をも模索できる新しい心理学の方法論を確立することを意図しているが、その方法論の理論的側面についてはある程度の進展が見られた。しかし、新型コロナ感染症の流行のこともあり、一般成人、統合失調症等の精神病患者の調査が十分できなかった点が指摘できる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

描画法の研究についての方法論については十分進展したが、新型コロナ感染症の流行のこともあり、一般成人、統合失調症等の精神病患者の調査が十分できなかった点が指摘できる。
特に、提携先の精神病院では、感染防止のために制限が強く、調査員の派遣についても制限が加えられていたこと、研究代表者、分担者の大学においても、感染防止のための制限があり、十分に調査ができなかった。研究成果については、論文の作成を行い、学会発表を行っている。

今後の研究の推進方策

本研究では、描画の画像解析法と眼球運動解析との対応関係を十分に取り入れる必要があり、今後は、その理論的開発と実際の実験による実証研究をする必要がある。眼球運動測定との統合研究については、まだ学会発表はしていないが、今後データを増やして検討を行う予定である。新型コロナ感染症の流行のこともあり、一般成人、統合失調症等の精神病患者の調査が十分できなかったが、今後は、提携先の精神病院、研究代表者、分担者の大学においても、調査を継続する予定である。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナ感染症の拡大によって、提携先の精神病院や研究代表、分担者の調査の実施に制限があり、計画通りの実施ができず、次年度の使用額が生じました。次年度は、協力機関や所属機関での調査や実験の実施を重点的に行う予定にしている。

備考

所属機関および研究室のホームぺージをリストしました。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] Avoiding the Worst Decisions: A Simulation and Experiment.2023

    • 著者名/発表者名
      Takemura, K., Tamari, Y., and Ideno, T.
    • 雑誌名

      Mathematics

      巻: 11 ページ: 1-28

    • DOI

      10.3390/math110511 65

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] 学生における心理的居場所感に関する研究-自尊感情と主観的幸福感に焦点を当てて-2023

    • 著者名/発表者名
      鈴木美奈子・鹿内裕恵・清水絢香・佐藤稔子・滝澤毅矢・岩滿優美
    • 雑誌名

      北里大学附属臨床心理相談センター紀要

      巻: 11 ページ: 1-10

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 統合失調症患者の樹木 画特徴の包括的な検討-健常対照群との比較から-2022

    • 著者名/発表者名
      川杉桂太・岩滿優美・轟 慶子・小林史乃・小平明子・延藤麻子
    • 雑誌名

      臨床精神医学

      巻: 51(8) ページ: 933-943

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 医療領域で働く心理職の心理的ストレス要因に関する質的検討-臨床経験年数の観点から-2022

    • 著者名/発表者名
      3)中島香澄・岩田悠花・村上尚美・山崎里紗・岩滿優美
    • 雑誌名

      臨床精神医学

      巻: 51(5) ページ: 555‐563

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 土課題に対する気分と体験に関する研究-接触と作品製作の比較-2022

    • 著者名/発表者名
      秋葉杏樹・川杉桂太・竹村和久・鹿内裕恵・岩滿優美
    • 雑誌名

      北里大学附属臨床心理相談センター紀要

      巻: 10 ページ: 54-65

    • 査読あり
  • [学会発表] 図形分割課題における統合失調症患者の眼球運動の分析――性別と年齢をマッチングさせた健常対照群との比較―2022

    • 著者名/発表者名
      川杉桂太・岩滿優美・小山聡大・村松円香・轟慶子・小平明子・延藤麻子・塚本康之・西澤さくら・轟純一・竹村和久
    • 学会等名
      日本心理学会第86回大会
  • [学会発表] 特異値分解を用いた人口データの分析--新型コロナウイルス感染症陽性者数との関連の検討-2022

    • 著者名/発表者名
      川杉桂太・村上始・李之林・倉島健・戸田浩之・竹村和久
    • 学会等名
      日本社会心理学会
  • [備考] 早稲田大学研究者情報

    • URL

      https://w-rdb.waseda.jp/html/100000546_ja.html

  • [備考] 竹村和久研究室ホームページ

    • URL

      https://sites.google.com/view/sem-takemura/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0

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公開日: 2023-12-25  

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