研究課題/領域番号 |
18K18708
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
宮本 雅彦 筑波大学, 数理物質系(名誉教授), 名誉教授 (30125356)
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研究分担者 |
千吉良 直紀 熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 教授 (40292073)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2024-03-31
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キーワード | 無限次元代数 / 表現論 / 有限群 / 正則頂点作用素代数 / 自己同型群 / コンウエイ群 / リーチ格子 / 深洞 |
研究実績の概要 |
頂点作用素代数(以下VOA)は無限次元代数であるが、無限個の条件を満たす無限個の積を持つなど、その構造は厳密であり、そのために有限群などの有限性と不思議な関連を持つ。中心電荷24の正則VOAの分類問題は、VOAが導入された1980年代からの重要な問題の1つであり、研究代表者も30年前から、研究の主目的の1つとして取り組んできた。その分類研究は、この20年ほどの間に大きな進展を遂げ、リー代数などの内部構造を決める方法、自己同型群の表現や保系形式を用いる方法等、いろいろな方法で、それらの手段が使えないムーンシャイン型と呼ばれる特別なVOAを除いて、一応の分類を完成させた。ただその研究途中で発見されたヘーン観測のような不思議な現象も出てきており、真の解決とは言えなかった。本研究では、格子を利用したVOA研究のラム教授(台湾中央研究院)と有限群研究者の千吉良教授(熊本大学)との共同研究で、ランク24の正則格子の分類において非常に美しい方法といわれた「リーチ格子の深洞を利用した方法」の拡張して、リーチ格子の自己同型群であるコンウエイ群の元によって固定される深洞(幾何的な意味が無い自己同型に過ぎないのに、この拡張として一般深洞と呼ばれていたものの、真の姿であることを示した)を利用して、ムーンシャイン加群以外の正則頂点作用素代数の分類(完全な1対1対応)を完成させ、さらに不思議な関係と思われていたヘーン観測の真の意味を説明し、ムーンシャイン型以外の分類問題に対する非常に自然な最終回答を得た。このように本研究では、有限群と自然な対応を持つVOAのような無限次元代数があると、無限次元代数の内部構造を利用することで、群の表現の一端を見ることが出来ることを示し、有限群の古典的な表現論とは別の利用法を発見した。
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