本研究では,巨視的な物体も記述できるような拡張量子力学理論の1つである,CSL (Continuous Spontaneous Localization)模型に注目し,その検証を進めた.真空中におかれた懸架系で独立に懸架された2つの鏡で光共振器を構成し,2つのレーザー光を双方から入射する装置の研究開発をすすめた.結果としては,CSLモデルに対して制限を与えるには至らなかったが,地面振動や大気などの雑音源の影響,懸架系や光学系の設計や雑音低減技術など,今後の研究につながる知見を得た.また,最終的には熱雑音の影響が課題になることもも積もられており,低温下での測定の必要性も認識されている.
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