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2019 年度 研究成果報告書

量子スピン液体状態でのスピンゼーベック効果

研究課題

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研究課題/領域番号 18K18730
研究種目

挑戦的研究(萌芽)

配分区分基金
審査区分 中区分13:物性物理学およびその関連分野
研究機関大阪大学 (2019)
東京大学 (2018)

研究代表者

下澤 雅明  大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (40736162)

研究期間 (年度) 2018-06-29 – 2020-03-31
キーワード量子スピン液体 / 量子常誘電
研究成果の概要

本研究では、量子スピン液体候補物質κ-H3(Cat-EDT-TTF)2を解明するために、元素置換効果およびスピンゼーベック効果の研究を行なった。まず、3つの置換体に対して、磁気トルク・熱伝導率測定を行い、ギャップレスの量子スピン液体が元素置換による影響を受けずに安定し続けることが分かった。我々の誘電率測定の結果を踏まえると、プロトンの量子揺らぎが、この系の量子スピン液体の実現に重要な役割を果たしていると結論することができた。一方、スピンゼーベック効果は、逆スピンホール効果を利用してスピン流を抽出する必要があるが、清浄な有機試料の表面に白金やタングステンを薄く蒸着するのが難しく、失敗に終わった。

自由記述の分野

低温物性

研究成果の学術的意義や社会的意義

量子スピン液体と量子常誘電状態が同時に実現しているκ-H3(Cat-EDT-TTF)2系の研究を行なった。この試料では、「スピン自由度」と「プロトン自由度」が同時に揺らぎ続けている量子スピン液体であり、従来のものとは一線を画する。本研究において元素置換効果を調べたところ、このような多自由度量子スピン液体は、通常のものに比べて外的要因に対して安定度が増すことが分かった。この結果は、長年問題であった量子スピン液体の安定化メカニズムを理解する上で、大きな手がかりになると考えられる。

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公開日: 2021-02-19  

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