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2018 年度 実施状況報告書

精密制御プラズマ・触媒反応場の創成

研究課題

研究課題/領域番号 18K18754
研究機関九州大学

研究代表者

古閑 一憲  九州大学, システム情報科学研究院, 教授 (90315127)

研究期間 (年度) 2018-06-29 – 2020-03-31
キーワードプラズマ / 触媒 / CO2メタン化 / 任意波形
研究実績の概要

材料分子の分解状態・励起状態をプラズマで制御しこれを触媒と反応させることで従来にない低活性化エネルギー・高スループット反応を実現する『精密制御プラズマ・触媒反応場』の創成をCO2メタン化を対象に行うことを目的とした本研究では、(1)プラズマ・触媒反応プロセス解明、(2)励起・解離分子と触媒との反応による生成物の同定・定量、(3)「非平衡プラズマ・触媒協働反応場」の創成について2年間の研究期間で検討する。
初年度であるH30年度は、メタン生成を抑制する要因について検討しメタン生成を促進するためのパラメータを明確にした。先ず律速段階の同定をを行い、放電開始直後では、プラズマ中の反応である気相反応律速であること、その後触媒反応である表面反応律速に移ることを明らかにした。放電電力依存性、ガス流速依存性、触媒温度依存性などの評価から、気相反応律速の場合、ガス流速つまりガス滞在時間が最重要なパラメータであり、その他、電子密度、電子温度、1モルあたりの投入エネルギーが重要であること、表面反応律速の場合、ガス滞在時間と触媒温度が重要パラメータであることを明らかにした。しかしながら現状ではメタン生成効率が低いため、各領域のキーパラメータを踏まえた装置が重要であることが明らかになった。
加えてプラズマの積極的な制御のため、任意波形を用いた放電生成の検討をはじめ、任意波形が出力可能な波形生成装置を用いて放電生成に成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度、(1)プラズマ・触媒反応プロセス解明、(2)励起・解離分子と触媒との反応による生成物の同定・定量を実施した。
プロセス中のCO2、CH4、H2O生成を計測しつつ各プロセスパラメータの影響について検討することで(研究項目2の実施)、CO2メタン化プロセス中の律速段階の同定に成功したこと、それぞれの律速段階における重要パラメータを明らかにしたことは(研究項目1の実施)、プロセスの解明に資するものであるとともにプロセスの高効率化に重要な示唆をあたえるものであり評価できる。以上より概ね順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

今年度の検討により、プロセス機構の解明が進んでいるが、メタンの生成効率は数%台と低い。この原因として、プロセス容器のデッドスペースが大きいために材料ガスが有効にプラズマや触媒に接していないという問題がある。
H31年度は、まず、触媒温度の制御が容易な、ガス滞在時間・触媒表面積を増加させた反応容器の製作する。製作した装置を用いて、生成分子の組成に対する各放電パラメータ依存性を明らかにして、プロセス機構解明とともにメタン生成効率の向上を目指す。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2018 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Dependence of CO2 Conversion to CH4 on the CO2 Flow Rate in a Helicon Discharge Plasma2018

    • 著者名/発表者名
      Toko Susumu、Katayama Ryu、Koga Kazunori、Leal-Quiros Edbertho、Shiratani Masaharu
    • 雑誌名

      Science of Advanced Materials

      巻: 10 ページ: 655~659

    • DOI

      10.1166/sam.2018.3141

  • [学会発表] プラズマ-触媒併用型二酸化炭素メタン変換における律速段階2018

    • 著者名/発表者名
      都甲将, 谷田知史, 山本瑛久, 古閑一憲, 白谷正治
    • 学会等名
      第65回応用物理学会春季学術講演会
  • [学会発表] Effect of gas flow rate on plasma-catalytic methanation reaction2018

    • 著者名/発表者名
      A. Yamamoto, S. Tanida, S. Toko, K. Koga, M. Shiratani
    • 学会等名
      29th Symposium on Plasma Physics and Technology (SPPT)
    • 国際学会
  • [学会発表] 銅電極を用いた低圧放電によるCO2のメタン変換2018

    • 著者名/発表者名
      谷田知史,山本瑛久,古閑一憲,白谷正治
    • 学会等名
      放電/プラズマ・パルスパワー合同研究会
  • [学会発表] CO2のCH4化のための低圧高周波プラズマの分光計測2018

    • 著者名/発表者名
      谷田知史,山本瑛久, 古閑一憲, 白谷正治
    • 学会等名
      第35回プラズマ・核融合学会年会
  • [学会発表] Approaches to increase throuput of Plasma- Catalytic CO2 methanation2018

    • 著者名/発表者名
      S. Tanida, A. Yamamoto, K. Koga, and M. Shiratani
    • 学会等名
      28th Annual Meeting of MRS-Japan 2018
    • 国際学会
  • [学会発表] CO2 hydrogenation by plasma catalytic method: pressure dependence2018

    • 著者名/発表者名
      A. Yamamoto, S. Tanida, K. Koga, and M. Shiratani
    • 学会等名
      28th Annual Meeting of MRS-Japan 2018
    • 国際学会
  • [備考] プラズマ工学研究室

    • URL

      http://plasma.ed.kyushu-u.ac.jp/index.html

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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