本研究の目的はハフニウム超伝導体(Hf)を用いて世界最高感度の超伝導トンネル接合素子(STJ)を開発し、宇宙・素粒子物理実験における実用化の第一歩を踏み出すことである。200ミクロン角のHf-STJを作成し、韓国・基礎科学研究院 (IBS)に設置された断熱消磁冷凍機を用いてHf-STJを30mKに冷やした実験を行った。X線源からの事象を世界で初めてHf-STJの信号として観測することに成功した。得られたデータに対して、信号の基準波形をフィットして入射粒子のエネルギーを決定する解析手法を確立した。その結果、Fe-55のX線(5.9 keV)ピークを用いて6.7%のエネルギー分解能を達成した。
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