研究課題/領域番号 |
18K18802
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高橋 英俊 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 助教 (90625485)
|
研究分担者 |
江島 広貴 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (00724543)
菅 哲朗 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (30504815)
|
研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2020-03-31
|
キーワード | フォトリソグラフィ / MEMS / 紫外線硬化樹脂 |
研究実績の概要 |
本研究ではMEMSの基本プロセスの1つであるフォトリソグラフィにおいて、リソグラフィに用いる紫外線硬化材料の硬化前後の屈折率の変化を利用した3次元微細構造の作製方法を実現することである。平成30年度においては、当初の計画にあるマイクロ構造であるマイクロニードル、ウェル構造、マイクロ吸盤の製作を進めた。マイクロニードルについては、タイムラプスとなる露光時間を変化させた場合の形状を作製し、SEMにより側面から観察することで、屈折率の違いによる紫外線の光路について実験的な知見を得た。アルミの穴形状がパターンされたガラスウェハをPEGDAの満たされたチャンバの上に配置し裏側から紫外線を照射することで、ニードル形状を作製した。露光量が適切な場合、先端が鋭いニードル形状となることが分かった。さらにそれ以上に露光した場合でも、その上面で再度集光し、先端が鋭いニードル形状になることが分かった。またこの屈折率の違いによる光路のシミュレーション環境を構築した。ウェル構造については、ニードル構造とパターンが逆となるウェハを用いて、PEGDAが逆テーパ構造になることを、作製した構造の断面をSEMで観察することで確認した。マイクロ吸盤構造については、作製のための回転傾斜露光装置を設計・製作した。LEDによる露光装置及び傾斜をつけたミラーをモータを用いて回転させる機構を用いて作製を行った。さらにPEGDAの屈折率に関係があると考えられる粘弾性についても、紫外線を照射していく過程で変化することを明らかにした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成30年度は、3つの構造の作製及び作製するための装置の開発と、及びシミュレーションのセットアップの構築が達成できたため、順調に進展していると判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
前年度に構築した露光装置をもちいて、マイクロ吸盤構造の作製を目指す。またタイムラプスで作製したマイクロニードルのように光路が進むかどうかについて、シミュレーションを行う。さらに材料を変えたときなどについても評価を進めていく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
主な理由として、研究代表者が平成31年度に東京大学から慶應義塾大学に異動することとなったため、少額の次年度使用額が生じた。 少額のため、問題なく次年度の予算と合わせて計画通り使用する予定である。
|