研究課題/領域番号 |
18K18810
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山村 和也 大阪大学, 工学研究科, 教授 (60240074)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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キーワード | 電気化学機械研磨 / スラリーレス / 難加工材料 / SiC / GaN |
研究実績の概要 |
本研究では、電解液として塩化ナトリウム水溶液を用いて4H-SiCを陽極酸化させ、固定砥粒による酸化膜除去により高能率かつダメージフリーにSiCウエハを研磨する電気化学機械研磨(Electrochemical mechanical polishing: ECMP)の開発を行っている。平成30年度は陽極酸化膜の形成により4H-SiC(0001)表面の硬度が1/12以下に軟化することをあきらかにし、また、形成された酸化膜の除去に関してはセリア砥石がアルミナ砥石やシリカ砥石よりも除去能率が高いことがわかった。基礎実験装置を試作し、スライスウエハのECMP研磨特性を評価したところ12μm/hの研磨レートを得た。本値は通常の化学機械研磨(Chemical mechanical polishing: CMP)の研磨レートと比較して20倍以上大きな値である。また、表面粗さに関しては、二乗平均平方根粗さが204 nmから0.778 nmまで低減することができ、本プロセスの既存CMPに対する優位性を示すことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
開発したECMP装置を用いた単結晶SiCウエハの研磨において、現状のCMPにおける研磨レートよりも20倍以上という当初の想定以上の速い研磨レートを達成したため。
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今後の研究の推進方策 |
1) ポテンショスタットを用いた電位制御と電気化学インピーダンス測定による電位-酸化特性の取得と酸化メカニズムの考察 。 2) 単結晶SiC、GaNウエハの表面粗さを0.2 nm rms以下に仕上げる研磨条件の最適化。 を行い、パワーデバイス用ワイドギャップ半導体ウエハに対する陽極酸化援用電気化学機械研磨プロセスの有用性を明らかにす る。
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