研究課題
令和元年度は平成30年度に構築した,衝撃風洞を利用し気流が到達するタイミングで磁力支持を開放,自由落下する球と球周りの流れの計測を追加実施した.平成30年度と同様の試験を再度行ったが,平成30年度の結果と同様に抵抗係数は同様に従来研究や経験式よりも高い値をとることを確認した.少なくとも本試験形態では,抵抗係数が従来研究や経験式よりも高いと結論づけることができた.現状では球の温度が気流温度と異なることが一つの要因と考えているがより低いレイノルズ数での直接数値解析とは傾向が一致しないこともあり,今後のより深い物理現象理解への問題提起ができたと考えている.また一方で流れ場を可視化する技術の向上を図った.特にフォーカシングシュリーレンを用いた流体場の可視化の可能性の検討や画像処理を用いたより鮮明な可視化の可能性を検討した.画像処理技術を用いることで,ある程度のノイズ除去が可能であることが見えてきており,流体場および空気力計測装置としておおよそ完成する事ができた.さらに低レイノルズ数における衝撃波の過渡的な発達の様子などを解明することができ,過渡応答を含めた流体場の深い理解を行った.合わせて複数粒子を落下させた試験を行い,当該試験条件ではクラスタ状態の粒子には互いに斥力が働くことを明らかにした.これらの結果にこれまでの高次精度ナビエ・ストークス解析の結果と希薄気体のDSMC解析の結果,バリスティックレンジによる弾道飛行試験の結果をとめて,低レイノルズ数・高マッハ数の球周り流れの特性をデータベース化し,その流れ場と空気力の特性を世界に先駆けて示すことができた.
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Shock Waves
巻: 30 ページ: 139-151
10.1007%2Fs00193-019-00924-0