本研究では,表面のテクスチャや液膜を上手く活用して,表面摩擦を操ることで,物体把持・操りを実現する新しい物体把持・操作の方法論の確立に挑んだ.まず,乾潤両状態で高摩擦を与えるテクスチャと,潤滑作用を有する液体を表面に滲出する機構により,表面摩擦を変える機構を開発した.この機構を搭載したロボットハンドを開発し,液体滲出による精密物体配置の実現や物体をもつ位置を変えるインハンド操作の実現を行った.柔らかい材料の場合,接触面積の大小が摩擦の大小に対応することを踏まえ,接触面積(テクスチャ)を変えることで摩擦を変える機構を開発した.この機構を搭載したロボットハンドによるチューブ操作の実現を行った.
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