現状報告されている光運動アクチュエータは、駆動速度が低く、曲げ変形駆動しか対応できていないため、アクチュエータとしての応用が乏しい。このため、光刺激による非接触式直動アクチュエータの開発の目的として、光を吸収する効率を高め、柔軟な繊維を束ねることにより、高速かつ一軸方向への変位を可能とする駆動システムを創生することとした。 前年度において、フォトクロミックな分子構造を有するモノマーの選定を行い、重合システムの構築を行った。また、作製した繊維の駆動性能を計測するためのシステム構成を素案し、顕微鏡上で動的に観察しながら計測が行えるように実現しつつあった。 当該年度において、フォトクロミック分子を含む高分子材料を合成するための環境を整え、材料調整が可能な状況になった。一方、顕微鏡上で動的に観察しながら計測が行えるように、実体顕微鏡上にUV光を照射するために装置を作製した。これにより、光駆動アクチュエータの駆動現象をリアルタイムで観察するシステムとなった。
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