研究課題/領域番号 |
18K18838
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
梅津 信二郎 早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (70373032)
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研究分担者 |
坂口 勝久 早稲田大学, 理工学術院, 准教授(任期付) (70468867)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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キーワード | 心筋細胞組織 / エレクトロニクスシート / 生体情報 |
研究実績の概要 |
先進諸国が超高齢化社会を迎えつつある状況のため、生体に関する多くの研究が行われている。この研究を支えるのは、精密に生体情報をモニタリングする技術である。近年、フレキシブルエレクトロニクスによって、生体情報をモニタリングする研究が多く行われるようになった。生体自体の柔らかさに、フレキシブルエレクトロニクスが十分に追従するからである。 本研究では、心筋細胞の細胞外電位の測定が可能な、厚さ500 nmのフレキシブルエレクトロニクスシートの開発を行った。フレキシブルエレクトロニクスシートの基板材料として、高い生体適合性を有するパリレンフィルムを利用し、パリレンフィルム上に金電極をパターニングすることで、フレキシブルエレクトロニクスシートの開発を行った。これらのマテリアルはともに生体適合性を有することから、細胞毒性を発現せず、電極上で培養したヒトiPS細胞由来心筋細胞は、拍動を続けることを確認した。 計測システムとして、従来のテープによる直接的なシールド線の接着法ではなく、FPCコネクタを利用した接着法へと変更をした。変更により、測定システムの信頼性、利便性が大幅に向上をした。また、測定システムをシールドボックスで覆うことで、ノイズ低減が図られることを確認した。 作製したシステムを利用し、ヒトiPS細胞由来心筋細胞の細胞外電位の測定を行った。FFT解析により、ノイズ原因と見られる周波数を除去するフィルタを適用することで、三点での細胞外電位の測定に成功をした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
2年目に実施予定だった研究内容も現時点で取り組み始めているため。
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今後の研究の推進方策 |
エレクトロニクスシートを高機能なものにすることで、複雑な人工心筋細胞組織の動きができるようにする。また、数値計算の支援を行い、得られる生体情報との比較を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
想定していた材料費がかさまなかったため。また、投稿論文のAPC用に確保していた部分が、次年度に回ったため。
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