研究課題
未病の治癒やヘルスモニタリングを目的として、シート状のエレクトロニクスを皮膚などの生体組織表面に設置し、生体シグナルを計測する研究が近年盛んである。投薬効果の詳細を把握するために、疾患が発生する生体電位や内分泌因子などの生体シグナルを直接、かつ正確に計測したいというニーズはあるが、患部にシートを挿入する侵襲性の高い手法を生きている人間に適用することは難しい。また、自律して拍動する心筋細胞を用いたバイオアクチュエータは、次世代型のアクチュエータとして期待されている。前者においては、心筋細胞の動きを極力妨げないスキャフォールドが必要であり、後者においては、ユニークな変形を実現するスキャフォールドが必要である。そこで、本研究では、孔を有するエレクトロニクスシートの作製プロトコルを決定した上で、孔を有するエレクトロニクスシートを作製し、機械的な特性を評価した。また、多点計測した細胞外電位の結果から、このような孔を多数設けることによって、心筋細胞同士は物理的に接触できている(物理的な接触の阻害が大幅に低減している)ことを確認した。そして、局所的に機械剛性を変えることによって、エレクトロニクスシートに貼り付けられた心筋細胞シートの変形を局所的に変えれることを実証した。このような孔を有するエレクトロニクスシートは、超低侵襲性エレクトロニクスや次世代型バイオアクチュエータに応用可能であると考えている。
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ACS Applied Materials & Interfaces
巻: XXX ページ: XXX
10.1021/acsami.0c04896