本研究では、スピン軌道トルク(SOT)を動作原理とする新しいタイプの電磁石の提案・動作実証を行う。具体的には、ランダムな多磁区構造と単一磁区構造という状態間のSOTによるサブナノ秒スイッチングの可能性を検証した。研究機関内に、①SOTによる多磁区状態→単磁区状態の変化を実証、②強磁性体/非磁性体界面への酸化層導入によるSOTの増強を確認、③ナノ秒の時間スケールにおいてもSOTによる磁化の安定化が可能であることを確認、という成果を得ることができた。これらにより、サブナノ秒SOT電磁石動作の実現にとって非常に重要な知見を得ることができたと考えている。
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