今後の研究の推進方策 |
p型酸化物Co(Mn,Ga)2O4の磁気転移温度Tgは100K以下であるため、素子応用に向けてTgを上昇させる必要がる。そこで、この薄膜中のMnおよびGaの一部を置換したCo(Mn, Ga, Fe)2O4の薄膜作製とその磁気特性を実施する予定である。室温以上のグラス転移温度とp型伝導特性が得られることを確認後、n型酸化物Co(Fe,V)2O4とのpn接合素子を作製する。また、ガーネット型酸化物薄膜においては、光応答性をより向上させるために、YIGにAl3+だけでなくCo2+の添加も試みる。これによって、Co2+とFe3+の間の光励起電子移動を用いた、より高速かつ高効率で光誘起磁性を実現できると考えている。また、クラスターグラス特性(グラス転移温度、磁場応答性)の更なる向上に向けて、第一原理計算および放射光光電子分光による研究を、東大物性研究所および東大スピントロニクス学術連携研究教育センターの共同研究者と連携して推進する予定である。
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