室温で動作する脳機能模倣素子の開発に向けて、新規クラスターグラス磁性体の作製とその物性評価に関する研究を推進した。具体的には、スピネル型の結晶構造を有する鉄酸化物を母体材料に用いて、元素置換により室温付近の高温グラス転移温度と大きな光応答性(グラスの光融解)を発現するクラスターグラス薄膜の作製に成功した。また、その構成カチオンの原子価を制御することによって、キャリアタイプが変調されることも見出した。さらに、超低消費エネルギー型素子の実現に向けて、新しいクラスターグラス磁性体を作製し、その磁気特性と結晶構造を制御することにより、スピン波の伝搬を室温で初めて観測することに成功した。
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