本研究では、半導体の高い屈折率を活かして作製したカイラルナノ構造であるため、外乱の影響を受けにくい、10ミクロン程度の小型な円偏光発光素子が可能となるほか、既存の半導体素子との整合性も高く集積化に向く。また、光ワイル点に起因する容易なエッジ状態形成により、導波光の動的制御も期待できる。さらに、左回り円偏光と右回り円偏光が、上向き電子スピンと下向き電子スピンにそれぞれ一対一で対応することを利用すれば、実用に不向きな外部磁場の代わりに、ワイル点を有するカイラル構造に起因したトポロジカルエッジ状態によってスピンを制御できるため、スピントロニクスへの応用も期待できる。
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