研究課題
非干渉光ホログラフィックナノオーダー精度高速度3次元動画像計測法を実現するシステムとして前年度に設計したシステムを構築した.構築したシステムは共通光路を有する.できるだけ1に近く1とは異なる拡大率を持った4f光学系をこの共通光路中に導入することが,計測誤差を低減するためには重要である.そこで,焦点距離がそれぞれ200mmと220mmの2枚の凸レンズを選定し,それらを組み合わせることで拡大率を0.909倍となる4f光学系を導入して実験システムを構築した.まず,記録したホログラムにたいして,考案した像再生アルゴリズムが適用可能かを光源にレーザーを用いて評価した.物体光として平面波がニュートンリングを通過した直後の光波の複素振幅分布を設定し,その物体光を計測し評価した.既存の複素振幅計測技術として並列位相シフトディジタルホログラフィにより同じ物体光の複素振幅分布を計測し,評価基準とした.構築した光学系と再生ソフトウェアを用いた計測結果と評価基準との正規化平均二乗誤差を算出した.その結果,正規化平均二乗誤差は位相が0.0370,振幅が0.0882となり,構築した光学系と再生ソフトウェアの正当性を確認した次に.非干渉光を発する物体としてLEDを設定し点灯状態で構築した光学系でホログラムを記録し,その像を再生した.その結果,LEDの像が再生され,所望の結果を得た.さらに,異なる奥行き位置にLEDを2個配置し,それらのLEDを発光してホログラムを記録した.記録したホログラムを再生する際に,再生距離を変えることにより一方のLEDが合焦すると他方のLEDがぼける画像が,それぞれのLEDに対して得られた.このようにして,提案法の有効性を実証した.
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 3件、 招待講演 2件) 備考 (1件)
レーザー研究
巻: 47 ページ: 258~261
検査技術
巻: 24 ページ: 1~5
http://www.cis.kit.ac.jp/~awatsuji/index-j.html