本研究課題では,3つの有機系材料に対して促進耐候性試験を行い,劣化による構造および光退色曲線の変化について検討した.その結果,エステル結合を有する樹脂の場合には,劣化するにつれて,エステル結合が切れ,-COOHになることで蛍光が大きくなり,光退色しにくくなることが確認された.一方で,塩化ビニル樹脂の場合には,劣化するにつれて,ポリエン(-C=C-)が生成することで蛍光が大きくなることが確認されたが,光退色はしやすくなる傾向が見られた.いずれの樹脂も劣化に伴い光退色曲線に一定の傾向が見られたことから,光退色曲線が劣化度の指標として用いることができると考えられる.
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