本研究は,部材表面を伝搬する超音波の可視化(Wavefield data)を数値的に処理し,材料を切り出すことなく異方性弾性体中の3次元弾性定数を求める方法を提案し,それを検証することを目的とする.Wavefield dataを得るために,レーザードップラー振動計を用いて計測する方法と光音響効果を利用した方法の2つを構築した.材料表面のWavefield dataを記録し,そのデータに時空間フーリエ変換を施すことによって,その面内の全方向の位相速度(P波,2種類のS波)を抽出する.複数方向の3種類の位相速度から独立な弾性定数を求める最適化問題を構築し,最小二乗法でこれを求める方法である.
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