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2018 年度 実施状況報告書

皮膚乾燥現象における温湿度の短期的・長期的影響の理論的解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K18892
研究機関東北大学

研究代表者

後藤 伴延  東北大学, 工学研究科, 准教授 (20386907)

研究期間 (年度) 2018-06-29 – 2020-03-31
キーワード建築環境・設備 / 皮膚乾燥 / 低湿度 / 温湿度環境
研究実績の概要

1. 短期的温湿度環境曝露による皮膚含水率変化に関する実験:健康な成人男性5名を対象として,室温2水準(18℃,25℃)×室内絶対湿度3水準(4.5 g/kg',7.0 g/kg',9.5 g/kg')の計6条件の温湿度環境において,頬と手首それぞれの皮膚含水率を測定した。なお,温熱性発汗の無い熱的中立状態を維持するように,実験中の被験者には,それぞれの室温に合わせたユニホームを着用させた。この実験より,頬の皮膚含水率について,絶対湿度が高いほど有意に高くなり,どの絶対湿度水準で見ても,室温が高い方が有意に高くなる結果が得られた。手首では,室温18℃のときに,絶対湿度が高いほど皮膚含水率が有意に高くなる結果が得られた。
2. 皮膚の水分保持機能・バリア機能の長期的観察:上記の実験を2ヶ月ごと(8月,10月,12月)に繰り返し実施し,皮膚の水分保持機能とバリア機能の長期的変化を観察した。外気の温湿度が低くなっていく8月から12月にかけて,頬の皮膚含水率が有意に低下した。また,頬の経皮水分損失量は,8月,10月よりも12月の方が有意に高かった。これらの結果より,低温湿度環境に日常的に曝露される冬に向かって,頬の皮膚水分保持機能およびバリア機能がともに低下することを確認した。一方,手首では,8月よりも10月,12月の方が,経皮水分損失量が有意に低かった。これは,10月,12月では手首が衣類に覆われて環境曝露の影響を受けにくくなり,バリア機能が回復したためと推測された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

被験者実験を当初の予定より前倒しで実施できた。一方,時間的な制約等から実験内容を当初計画から変更した部分があり,短期的温湿度環境曝露による皮膚含水率変化のメカニズム解明のため,追加実験を実施してデータを補完する必要がある。

今後の研究の推進方策

短期的温湿度環境曝露による皮膚含水率変化メカニズム解明のための追加実験を実施する。昨年度および本年度の実験で得られた知見を総合し,季節の違いなどを考慮した室内温湿度推奨範囲について検討を行う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 室内温湿度および季節変化が皮膚乾燥に及ぼす影響に関する被験者実験2019

    • 著者名/発表者名
      我孫子太一,八島唯,高木理恵,後藤伴延
    • 学会等名
      日本建築学会大会

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公開日: 2019-12-27  

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