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2020 年度 実施状況報告書

モバイルデバイスを用いた3次元実測型騒音マッピングシステムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K18897
研究機関新潟大学

研究代表者

大嶋 拓也  新潟大学, 自然科学系, 准教授 (40332647)

研究期間 (年度) 2018-06-29 – 2022-03-31
キーワード都市環境音響 / スマートフォン / 騒音マッピング / 気圧計 / RTK測位
研究実績の概要

令和2年度は,令和元年度の成果を引き継ぎ,スマートフォンを用いた実測型3次元ノイズマッピングシステムの最も主要な技術である高度の高精度測位手法の開発をを含め,ノイズマッピングシステムの要素技術開発および検証を網羅的に行った。システムの構成としては,測定者が携帯して移動する移動個体,および基準点に定点設置する基準点個体の2個体を用いる。移動個体において音の波形,気圧,緯度経度を取得し,基準点個体で気圧を取得する。移動個体については,令和元年度のスマートフォンの内蔵マイクロホンの特性に関する諸検討を引き継ぎ,スマートフォン内蔵マイクロホンの特性を音響測定用マイクロホンの特性に近似させるための,周波数特性補正値を求めた。同一機種において個体間の特性のばらつきが小さかったため,補正値は個体によらず共通とした。内蔵マイクロホンの線型性補正についても,個体によらない共通の補正曲線を求めた。さらにA特性補正を行うことで,等価騒音レベルを求めた。移動個体の測位では,緯度経度は内蔵全球測位衛星システム (GNSS) によって求めた。高度は,両個体で取得した気圧の差から両個体間の相対高度を求め,基盤地図情報による基準点高度を加える手法を新たに提案した。騒音計による等価騒音レベル測定および高精度測位手法であるRTK (real-time kinematic) 測位を行う参照システムによる測定結果との比較検証から,等価騒音レベルは良好な精度が得られた。また,高度測位における相対高度の測位結果は,スマートフォン内蔵のGNSSによる高度測位より格段に良好であり,RTKに迫る精度が得られた。ただし,精度検証における個体間および参照システムとの測定タイミング同期,よりさまざまなケースにおけるシステム全体の精度検証が必要である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究における最大の技術的課題であった,スマートフォンを用いた高度の高精度測位は,基盤地図情報による基準高度および気圧計を用いた相対高度の測位技術の提案によって達成された。また,個々の要素技術である等価騒音レベルの測定および3次元測位の基本的な精度検証の結果は良好であった。しかしながら,システム全体についてはより様々なケースにおける精度検証が必要であり,(3)と評価した。

今後の研究の推進方策

今後は,主に参照システムとの比較により,提案システム全体についてより様々なケースにおける精度検証を行っていく。その際,個体間および参照システムとの測定タイミング同期についても検討していく。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナ感染拡大に伴い,スマートフォンを用いたノイズマッピングシステムの実地検証を十分に行えなかったため,次年度使用額が生じた。次年度使用額は,参照システム機材および検証用の各種機材に使用の予定である。

  • 研究成果

    (14件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (12件)

  • [雑誌論文] Extension of weather influence modeling of ground acoustic properties to various ground surface types2020

    • 著者名/発表者名
      Yumi Kurosaka, Takuya Oshima
    • 雑誌名

      Proc. Inter-Noise 2020 (Seoul/Online)

      巻: - ページ: -

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Comparison of flow resistivity values of ground soil obtained by direct measurements and estimations by in- situ acoustic measurements2020

    • 著者名/発表者名
      Takuya Oshima, Masato Tsukahara, Yumi Kurosaka
    • 雑誌名

      Proc. Inter-Noise 2020 (Seoul/Online)

      巻: - ページ: -

    • 査読あり
  • [学会発表] 車両前後方向非対称の音源指向性を有する騒音予測モデルの特性に関する研究 -半無限長厚み障壁におけるASJ RTN-Modelとの比較-2021

    • 著者名/発表者名
      竹田 郁哉,大嶋 拓也,黒坂 優美
    • 学会等名
      日本音響学会
  • [学会発表] 複数種地表面での長期測定に基づく地表面音響特性経時変化のモデル化に関する検討2021

    • 著者名/発表者名
      黒坂 優美,大嶋 拓也
    • 学会等名
      日本音響学会
  • [学会発表] ハイパースペクトル航空画像を用いた広域騒音伝搬予測のための地表面状態分類2021

    • 著者名/発表者名
      大嶋 拓也,黒坂 優美,平栗 靖浩
    • 学会等名
      日本音響学会
  • [学会発表] カーディオイドマイクロホンを用いた地表面音響特性の現場測定に関する検討 アンサンブル平均法との比較2020

    • 著者名/発表者名
      大嶋拓也,黒坂優美
    • 学会等名
      日本建築学会北陸支部
  • [学会発表] 環境騒音伝搬予測のための航空画像を用いた地表面種類広域分布の推定2020

    • 著者名/発表者名
      黒坂優美,大嶋拓也,平栗靖浩
    • 学会等名
      日本建築学会北陸支部
  • [学会発表] ユーザー参加型ノイズマッピングに用いるモバイルデバイスの特性に関する研究 -内蔵マイクロホンの指向特性及び周波数特性測定による検討-2020

    • 著者名/発表者名
      沼田賢樹,大嶋拓也
    • 学会等名
      日本建築学会北陸支部
  • [学会発表] カーディオイドマイクロホンを用いた地表面音響特性の現場測定に関する検討 C-C法とアンサンブル平均法の比較2020

    • 著者名/発表者名
      大嶋拓也,黒坂優美
    • 学会等名
      日本建築学会
  • [学会発表] 環境騒音伝搬予測のためのハイパースペクトル航空画像を用いた地表面分類の検討2020

    • 著者名/発表者名
      黒坂優美,大嶋拓也,平栗靖浩
    • 学会等名
      日本建築学会
  • [学会発表] ユーザ参加型ノイズマッピングに用いるモバイルデバイスの特性に関する研究 内蔵マイクロホンの指向特性及び周波数特性の補正に関する検討2020

    • 著者名/発表者名
      沼田賢樹,大嶋拓也
    • 学会等名
      日本建築学会
  • [学会発表] 半無限長厚み障壁背後における日欧の道路交通騒音予測モデルの特性に関する検討2020

    • 著者名/発表者名
      竹田郁哉,大嶋拓也
    • 学会等名
      日本建築学会
  • [学会発表] 多孔質材料の流れ抵抗の直接測定及び現場測定した音響特性からの推定の比較2020

    • 著者名/発表者名
      塚原正人,大嶋拓也
    • 学会等名
      日本建築学会
  • [学会発表] 土の流れ抵抗の直接測定及び現場測定した音響特性からの推定の比較2020

    • 著者名/発表者名
      塚原 正人,大嶋 拓也,黒坂 優美
    • 学会等名
      日本音響学会

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公開日: 2021-12-27  

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