研究課題/領域番号 |
18K18899
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
鉾井 修一 京都大学, 工学研究科, 名誉教授 (80111938)
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研究分担者 |
伊庭 千恵美 京都大学, 工学研究科, 准教授 (10462342)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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キーワード | ヒートアイランド / 京町家 / 室内温熱環境 / 井戸 / 水冷ヒートポンプ / 地盤蓄熱 |
研究実績の概要 |
地球温暖化も加わりヒートアイランドによる都市の夏期の高温化は深刻な問題となっているが、その点では京都市も例外ではない。一方で、伝統的住宅の代表とも言える京町家は、土壁・瓦屋根・坪庭などに象徴される木造住宅でありその存続、更には展開が望まれているが、現代的な生活スタイルへの適応および省エネルギーへの対応には多くの課題を抱えている。本研究は長い年月にわたる地盤温度上昇(蓄熱)に着目し、その抑制さらには低減がヒートアイランド問題の根本的な解決につながるという視点より対応策を提案するものであり、個々には解決が難しい都市環境問題と伝統的市街地住宅の温熱環境問題を、井戸水を利用したヒートポンプ(以下HP)暖房を通して同時に解決することを目的としている。 そのような観点より本年度は、a)調査対象京町家の内外温熱環境の測定、エネルギー使用量の調査によりその実態を把握し、京町家の温熱環境改善策の提案を行った。さらに、b)調査対象住戸および周辺住戸における井戸の水温・水位、HPシステムの運転状況を調査し、地下水流が地盤の温度変化に及ぼす影響について検討するとともに、調査対象住戸の井戸水温度と水位を再現するシミュレーションモデルを作成し、入力とする地下水流速を対象住戸周辺住戸の井戸における測定結果より推定・算定、c)井戸水利用HPシステムによる冬季暖房効率は暖房時間と共に低下するが、これを適切な時間間隔で一部汲み上げることにより改善し、提案する地下水・井戸利用HPシステムによる暖房の可能性を実験およびシミュレーションにより示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定に対して、昨年度は井戸の中の水流および周辺地盤と井戸の間の熱水分水の流れに関する測定と解析は予定以上に進展した。ただ、ヒートアイランドに関しては基本的な考え方およびその実行についての情報取集のレベルにとどまったため、全体としては「おおむね順調に進展」と自己評価した。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、地下水利用HP暖房システムによるヒートアイランド抑制効果の検討、京町家の室内環境および省エネルギー性能向上方策に重点を置いて研究を進め、更に将来の実現化に向けたプロジェクトへの展開も念頭に置いて活動を行う。 すなわち、地下水流が地盤の温度変化に及ぼす影響についての検討、都市部地盤温度解析モデルの作成と地盤温度の予測、京都市における井戸の分布の調査と提案システムの利用可能性検討、都市部地盤温度解析モデルの作成と地盤温度の予測、京都市規模の地盤温度の解析モデルに基づいた建物が地表を覆うこと、地下鉄など地下建造物が地盤温度に及ぼす影響の検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
井戸を有する調査対象建物が見つからなかったため(調査許可が得られなかった)、予定していたヒートポンプの設置が進められず、購入を見合わせたことが次年度使用に変更した理由である。昨年度末にヒートポンプの設置と調査を受け入れてくれる建物がみつかったため、今年度は予定していた井戸水を利用した暖房の測定を行う予定である。
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