研究課題/領域番号 |
18K18926
|
研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
平木 雅彦 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (20282676)
|
研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2021-03-31
|
キーワード | データ処理 / ゲリラ豪雨 / 予測 |
研究実績の概要 |
本研究は、従来の気象レーダーでは観測できない、ゲリラ豪雨の予兆である雲の発生のさらに予兆である大気中の水蒸気量の変化(予兆の予兆)を観測することで、豪雨の1時間以上前に予測を行うことを目的としている。すでに研究協力者の田島らによって、宇宙マイクロ波背景放射(CMB: Cosmic Microwave Background)の観測技術を応用した試作機により、降雨の前の水蒸気量の増加の例が観察されているが、水蒸気量と降雨の関係がまだはっきりと分かっていないことから、(1) 試作機を元に装置の小型化をはかり、過去のデータからゲリラ豪雨が発生しやすい時期と場所を選定し、いろいろな場所で観測データを蓄積し、(2) 観測データを元に深層学習により人が気が付かないような特徴量を見つけることで、水蒸気量と降雨の関係を見出し、豪雨予測を行う。 2019年度は、試作機の改良とテスト観測を行う予定であったが、人事異動に伴う装置の移管や時間の制約の関係で行うことができなかった。これまでに試作機を用いて研究協力者の田島、長崎が高エネルギー加速器研究機構つくばキャンパスにおいて観測した2016/12/25~2017/3/31の約3ヶ月間の2分毎の大気水蒸気量のデータを元に特徴量抽出を行うためにプログラミングを行っている。また、日本気象学会2019年度春季大会および秋季大会に参加し気象予報の現状把握を行った。専門分科会等に参加し特にAIを用いた気象現象(竜巻など)の予測に関する情報収集を行った。また、水蒸気マルチセンシングによる降雨予測を行っている研究者と情報交換を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
試作機の改良については装置の移管の問題や部品調達の時間の制約で行うことができなかったが、今後、研究協力者等と協力して進める予定である。これまでに 観測したデータを集約したことで、データ解析については予定通り進めている。
|
今後の研究の推進方策 |
2020年度は、研究協力者等と協力して、試作機の改良および観測について進める予定である。また、データ解析についても外部専門家にも協力してもらい引き続 き進める。
|
次年度使用額が生じた理由 |
試作機の改良については装置の移管の問題や部品調達の時間の制約で行うことができなかったが、今後、研究協力者等と協力して進める予定である。
|