本研究の目的は,無容器法で合成した高充填密度ガラスに高温高圧処理を施すことで,ガラスでは決して発現しないとされている強磁性を示すガラス,「透明ガラス磁石」を創り出すことであった.研究期間内にガラスにおける強磁性の確認までは至らなかったが,数多くの磁性ガラスの合成には成功した.これらの中で一部の希土類高含有ホウ酸塩ガラスは,光アイソレータに使われているTb3Ga5O12結晶よりも大きな磁気光学効果を示した.様々な構造解析手法を駆使することで,これらのガラス構造とガラス形成能などの物性との相関を明らかにすることができた.さらに高圧印加は,局所構造の制御に有効であることを確認した.
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