研究課題/領域番号 |
18K18930
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
関戸 信彰 東北大学, 工学研究科, 准教授 (10462516)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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キーワード | ボロン / 固溶限 / 拡散係数 / 高周波グロー放電発光分光分析 |
研究実績の概要 |
本研究は、α-Fe中におけるBの固溶限と拡散性を実験的に評価することを目的とした。固溶限の測定は、Fe箔とFe2Bによる拡散対法を用いた。純鉄においてα相は927℃でγ相に変態するので、より広い温度域でのα相の固溶限を測定するため、Siを添加してα相を安定化した。Siの添加は3wt%程度で融点までα相が安定化される。(Fe,Si)/Fe2B 拡散対を定の温度で保持したのち、rf-GDOESを用いて濃度プロファイルを測定した。濃度の変曲点から固溶限を測定した結果、α相におけるB の固溶限は1000℃で13 wt.ppm,1100℃ で22 wt.ppm と決定された.これは、Cameron らが報告した固溶限を高温側に延長した値とよく一致した。さらに、α相においても、湿水素雰囲気での熱処理により脱B現象が確認され、拡散係数を測定する成算が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、α相が安定となるSiの組成条件、ならびにFe-Si合金の箔作製に成功した。また、Fe-Si合金の棒状試験片作製のための加工条件を確立した。加えて、当初の計画の通り、α相におけるBの固溶限を決定した。拡散性評価の成算が得られているので、順調に進んでいると判断される。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は脱Bによる実験を更に進展させる。拡散係数の温度依存性から活性化エネルギーを算出し、拡散パスが置換型か進入型かを明確にする。さらに、αFeにおける脱B速度に及ぼすSiの影響について調査する。これらの知見を集積し、Bのメカニズム解明に資する。
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次年度使用額が生じた理由 |
脱B実験のためには、粗大な結晶粒組織を有するサンプルが必要である。十分に粗大化させるためには、長時間の熱処理が必要である。しかしながら、熱処理中に脱Bが発生する問題が生じ、拡散係数測定が正確に行われなかった。そのため、脱B量測定の分析(外部機関へ有料の分析依頼)が予定よりも少なかった。試料作製にある程度の成算が得られたので、本年度は昨年度以上に分析依頼に費用を充てる。
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