rf-GD-OESを用いた拡散対法によりFe中Bの固溶限を決定した。Fe-B二元系におけるγFe中のB固溶限は、最大でも60 ppm程度、αFeにおけるそれは10 ppm程度であった。 湿水素雰囲気中での熱処理で発生する脱B反応を利用し、その反応速度からBの拡散係数を見積もった。1000℃近傍におけるBの拡散係数は、αFe中とγFe中で同程度であり、 Feの自己拡散係数よりは数桁大きいものの、拡散の活性化エネルギーはFeの自己拡散のそれと同程度の大きさであった。このことから、脱B反応の律速過程は、Bの体拡散ではなく、Bの離脱を伴う表面反応である可能性が示唆された。
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