研究課題
挑戦的研究(萌芽)
高品質な3C-SiCの実現に向け、溶液成長法を利用した新しい界面制御法の開発を行った。新規手法は、(1)種結晶の6H-SiCに内在する結晶欠陥を活用してSi-C対6層からなる周期ステップ構造の造形、(2)その上に3C-SiCを核生成・制御の二段階のプロセスからなる。3C-SiCの核生成が6H-SiC(0001)面上のステップ構造に倣って生じることを明らかにし、核生成段階から結晶方位の制御された高品質な3C-SiCを育成可能な手法であることを示した。
高温物理化学
省エネパワー半導体材料である3C-SiCは高いチャネル移動度を実現できるため、低損失の中耐圧MOSFETとしての応用が期待されるが、高品質化が有望視される溶液成長では、デバイスキラー欠陥が容易に形成される。本研究では、種結晶に用いる6H-SiC中の結晶欠陥を利用し、高品質な3C-SiCを育成する新たな界面制御法を提案した。結晶欠陥を積極的に活用して結晶の高品質化を達成する手法として、今後の大面積化や他の結晶材料への応用が期待される。