身の回りの金属材料のほとんどは,純金属ではなく異種元素が原子レベルで混ざった(固溶体)合金です.異種元素が固溶することによって合金の強度がどの程度高くなるか(固溶強化量)に関して,古くから理論的研究がされてきましたが,単純な合金系や固溶元素濃度が低い場合にしか適用できません.研究代表者らは,固溶強化量を予測し得るユニバーサルな指標として構成元素の結晶格子位置からのずれ(原子変位量)を提案してきましたが,本研究では固溶元素がランダム配列している場合だけでなく,特定の優先的配列をした場合にも固溶強化量の予測指標となりうることを示しました.
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