本研究では、層状ペロブスカイト酸化物の酸素八面体回転を制御して、結晶構造の反転対称性が破れた物質群(強誘電体・圧電体)の開拓を目指した。物質探索の結果、n = 1のルドルスデン-ポッパー(RP)型KRTiO4 (Rは希土類) が,酸素八面体回転により圧電性を示すことを見出した。 加えて,n = 2のRP型Sr3Zr2O7と(Sr,Ca)3Sn2O7において、2種類の酸素八面体回転の組み合わせにより強誘電性が発現することも明らかにした。本研究と既報のn = 2のRP型強誘電体に関する結果を含めて、幅広い温度範囲においてキュリー温度とペロブスカイト許容因子の間に相関があることを見出した。
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