研究課題/領域番号 |
18K18950
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松垣 あいら 大阪大学, 工学研究科, 助教 (10592529)
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研究分担者 |
中野 貴由 大阪大学, 工学研究科, 教授 (30243182)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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キーワード | 細胞配列 / 塑性変形 / すべり線 / 双晶トレース / 金属結晶 |
研究実績の概要 |
本研究では、金属結晶の2つの塑性変形モードである「すべり変形」と「双晶変形」により導入される特徴的な原子レベルでの表面起伏に着目し、世界初の原子ステップによる骨芽細胞配列化、ひいては骨配向化制御に挑戦している。具体的には、以下の項目について研究を実施した。 (1)浮遊帯溶融(FZ)法により生体用純TiおよびTi合金単結晶を育成し、背面ラウエ法による結晶方位決定を行った。(2) シュミット因子計算に基づき圧縮軸を決定、圧縮試験による変形誘起に基づき、すべり変形・双晶変形の導入を行った。(3)塑性変形により導入される表面起伏(角度)・幅・高さの計算予測と実測を行った。(4)作製した基板上での細胞制御に向け、初代細胞抽出のためのマウスを準備した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
「研究実績の概要」に記載のとおり、本年度(平成30年度)に計画していた研究項目は当初の計画以上に進展し、細胞配列化制御のための塑性変形に基づく表面起伏の導入とその形状予測・実測までを達成した。以下に、具体的な項目ごとの進捗を示す。なお、記号の意味は、◎:当初の計画以上に進展、〇:計画どおり進展、とする。
①浮遊帯溶融(FZ)法による生体用純Ti(hcp)およびTi-20Nb合金単結晶の育成、背面ラウエ法による結晶方位決定(〇)、②シュミット因子計算に基づく圧縮軸の決定(〇)。圧縮試験による変形誘起に基づき、すべり変形・双晶変形を導入(◎)③表面起伏(角度)・幅・高さの計算予測と実測(〇)④細胞制御のための初代細胞抽出のためマウスを準備(〇)
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度に計画していた研究項目は当初の計画以上に進展し、金属単結晶の塑性変形に基づき結晶方位に依存したすべり線・双晶トレースの方向制御を達成した。今後は作製した表面起伏に対する骨芽細胞伸展・配列化応答を定量的に明らかにするとともに、その分子機序解明により金属結晶の原子レベルでの表面起伏が細胞骨格形成、細胞接着およびその配列化に及ぼす影響を明らかにする。
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