本研究では、金属結晶の2つの塑性変形モードである「すべり変形」と「双晶変形」により導入される特徴的な原子レベルでの表面起伏に着目し、世界初の原子ステップによる骨芽細胞配列化、ひいては骨配向化制御に挑戦し、具体的には以下の実績を得た。 (i)昨年度育成した純チタンおよびチタン合金単結晶へのすべり変形および双晶変形導入に基づく表面起伏を基板とし、骨芽細胞培養を行った。 (ii)すべりや双晶トレースに沿って細胞体の優先配向化が制御され、単結晶の変形に基づく一方向性起伏形状に応答して細胞の一軸秩序配列化を達成した。 (iii)骨芽細胞が産生するコラーゲン/アパタイト基質は細胞伸展方向に応じて優先配向化することが見いだされた。
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