水素原子に1つの電子が付加したヒドリドは、その酸化還元電位が水素標準電極に対して-2.25Vとかなり卑な電位を持つため、単独のヒドリドと酸素で燃料電池が構築できれば、従来の水素燃料電池よりも大きなの起電力が得られる可能性がある。しかしながら、この材料は空気中で不安定であり、電池や燃料電池応用にはさらなる開発が必要であるとされている。また、ヒドリド伝導を示す材料は限られており、新しい設計コンセプトをもった材料開発が求められていた。本研究成果は、表面・粒界という切り口でヒドリドイオン伝導体を提案し、従来にはない伝導機構のヒドリドイオン伝導を示す可能性がある材料を創製できたことは学術的価値は高い。
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