バルジ試験は、ナノ厚やマイクロ厚といった通常の引張試験機では測定が困難な薄膜の力学特性を評価できる点が特徴である。本研究において、理想的な状態である大気中だけでなく、様々な温湿度環境下や液中での測定を実現し、さらには極めて薄い薄膜だけでなく、硬くて脆い素材からなる薄膜などにも適応できたことは、実用材料の評価法としての本手法の価値を大きく高めるものである。例えば、燃料電池における電解質膜は高効率化の観点などから薄膜化が進んでいるが、高温液中下という、より実際に近い環境下で安全・信頼性の評価が可能となる事などが期待される。
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