当研究グループでは、過酸化水素等の化学物質を燃料として、自立的に運動する人工的微生物の研究を進めてきたが、本研究ではこれを発展させ、微小構造体の集合運動を化学的に誘起することを試みた。まず、表面に正負の電荷を有するポリスチレンビーズを用い、金微小電極を用いて、水の電気分解により水素イオン、水酸化物イオンの濃度勾配を形成し、挙動の変化を調べた。その結果、電位、ビーズの表面電荷の正負に応じて、ビーズ集団の集合・離散挙動が確認された。また、過酸化水素を用いた場合には、より小さい印加電圧で、集合・離散挙動が認められた。さらに、ビーズ集団を微小電極間で順次移動させることにも成功した。
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